刃先1mmに込める職人の技
印鑑を彫刻するにあたりかかすことのできないのが、「砥石で小刀を研ぐ」 という作業です。なぜなら、小刀の研げ具合が印鑑の仕上がりに大きく影響するからです。しかしながらこの作業、印鑑職人になるにあたって最も習得に時間がかかる作業なんです。師匠曰く、「砥石で奇麗に小刀を研ぐことができるようになる頃には、自然と印鑑を彫刻する技術もあがるもんだ」とのことです。絵で描いてもらったものを理解することは非常に簡単なのですが、いざやってみると左右対象にならなかったり刃先がついたりつきすぎたりと、最初の頃はなっかなかうまくいきませんでした。それでも毎日続けているうちにいつの間にかできるようになってるから面白い。それにしても、この刃先1ミリに何度苦しめられたことか(笑)。たかが刃先1ミリ、されど刃先1ミリ。印鑑職人を生きるうえで最もかかすことのできない小さくも大きな職人技のご紹介でした。