さて、今回は彫刻刀の作り方をご紹介いたします。まずは竹でできた皮を用意いたします。
この竹の皮は、お湯につけると柔らかくなるという特徴があるので、数分間お湯にひたします。面白いことに、常温で放置しておくとまた元通りの硬さにもどるのです!なんて柔軟性に優れた素材なのでしょうか。僕も竹の皮くらい柔軟性のある人間になりたいです(笑)。
さてさて、あとは彫刻刀に竹の皮を巻いていけば、彫刻刀のカタチがみえてきます。
そして、余った竹の皮をカットし、使ったとき怪我をしないようにしておきます。
これで彫刻刀の完成です。
と言いたいところなのですが、これはまだ序章にしかすぎません。
実は彫刻刀作りはここからが本番で、砥石(といし)を使って鋼を研がなければ、
彫刻刀としての役割を果たさないのです。
印鑑彫刻作業において、最も重要な作業のひとつに、字入れの作業がありますが、
どんなに良い字を書いたとしても、彫刻刀が使い物にならなければ良い仕事はできません。つまり、切れ味のよい彫刻刀を自分の手で研げるようになることこそが、印鑑彫刻士になるために
とてもかんじんな修行なのです。
頑張れ小林稔明!!一人前の5代目印鑑彫刻士と呼ばれるその日まで。