日々の目標は「昨日の自分を超えていくこと」
皆様こんにちは。5代目彫刻士を目指して印鑑修行をしている小林稔明です。
「今時、わざわざ手彫りで印鑑をほらなくてもいいじゃないか。」たまにそんなことを言われるのですが(笑)。今の時代だからこそあえて手彫りで実印を彫れる印鑑彫刻士になりたいと思っているんです。
もちろん僕は、小さい頃から印鑑を彫る練習をしていたわけでも、特別彫刻が好きだったわけでもありません。字入れの際に筆を使うのですが、中学校の授業をのぞけばお習字経験もないに等しいくらいです。なので、実印を彫るということ以前に乗り越えなければならない壁がたくさんあるということは、もちろん承知しています。しかし、僕は乗り越えなければならない壁が高ければ高いほどモチベーションが上がる性格なので、印鑑を手彫りで彫れる彫刻士にるという挑戦は自分自身にとてもあっていると、確かな手応えを感じております(笑)。
自分だけの武器は「手作りの彫刻刀」
この印刀は、手作りでつくった僕の彫刻刀です。
持ち手の部分は、竹の皮をお湯であたためて柔らかくして巻き付けてつくっていくのですが、「太さの違う印刀を一目で分かるように」という師匠のアドバイスのもと、あえて巻き方を変えてつくりました。
でも、はじめはただの鉄の棒でしかなかったんですよ(笑)
それを何種類かの砥石(といし)を使って研いでいくんです。その作業だけでほぼ1日つぶれることもありました。もしかしたら印鑑を彫刻することよりも難しくて根気のいる作業かもしれません。