目次
1. 篆書体 と 印相体(吉相体) の特徴は?
2. 篆書体の変遷
3. その他の書体の特徴について
印鑑の書体にはいくつか種類があり、書体が変わるだけでイメージが大きく違ってきますね。その中でも普段の生活ではあまり見かけない、ちょっと変わった文字が気になりませんか?印鑑独特の書体として、篆書体(てんしょたい)と印相体(吉相体) があります。
1. 「篆書体」と「印相体(吉相体)」の特徴は?
篆書体(てんしょたい)
象形文字を元に生まれた古い書体です。
紀元前にさかのぼる古代中国においては、公式書体として用いられました。
実は、パスポートの表紙に記されている「日本国旅券」や 金印に印された「漢委奴国王」の文字はこの篆書体が使われています。
独特の風格ある文字で判読性が低い(=読みにくい)ことから、偽造されにくい書体となっています。
文字が四角い枠に収まる形状も特徴です。
印相体(吉相体)
篆書体を元に日本で江戸時代に作られた印鑑用の書体です。
丸い外枠の外へ八方に広がる流れるようなデザインが縁起良く、八方篆書体(はっぽうてんしょたい)、吉相体(きっそうたい) とも呼ばれ、福を呼び込む 開運印鑑の書体として好まれています。
他の書体と比べて 太くどっしりとした線が八方に外枠部分に接することから、欠けにくさも備えています。
2. 篆書体の変遷
篆書体の起源ははるか古代中国までさかのぼります。
秦 以前から存在し、中国・戦国時代に発達・整理されていきました。
紀元前221年に秦の始皇帝により公式文章に用いる公式書体として「小篆(しょうてん)」が定められます。
その後漢の時代に入ると 、役人が用いる官印(公用の印鑑)の文字として使われるようになります。
小篆 は縦に長い文字であることから印鑑の中に納まりにくいため、印向きの書体として「印篆(いんてん)」が作られました。
つまり、印鑑用に特化した小篆が印篆なのです。
現在では、この印篆を指して「篆書体(てんしょたい)」と呼んでいます。
3. その他の書体の特徴について
篆書体 と 印相体 は、印鑑に特化してデザインされた独特の書体です。
判読性(文字の読みやすさ)が低く複雑で、印鑑の偽造・複製防止に向いています。
現在の日本の印鑑にはそのほか、日常でも馴染みのあるパッと見て読みやすい書体も多く使われています。
隷書体(れいしょたい)
複雑な篆書体を元に書きやすさを求めて簡略化された 実用的な書体です。
読みやすさとすっきりとした字体が特徴です。
楷書体 (かいしょたい)
隷書体を元にした筆書き風の書体です。書道風の読みやすい文字で、シャチハタ印や住所ゴム印などに向いています。
行書体(ぎょうしょたい)
楷書体をさらに簡略化した書体で、連続した筆運びや線の省略により全体的に流れるような優しいイメージの文字となります。
古印体(こいんたい)
隷書体を元に日本で作られた独特の風合いを持った印鑑用の文字です。
丸みのあるフォルムと 墨だまりや文字の途切れなどを施した読みやすく雰囲気のある文字です。
人生の節目に必要な印鑑の選び方」から、履歴書などの重要書類に捺印する際に「失敗しない印鑑の押し方」のコツにいたるまで、知っているとちょっと得をする「印鑑のお役立ち情報」をひとまとめにしました。
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