職人になりたい、名前を刻みたい
僕が職人になりたいと思ったきっかけは、間違いなく父や祖父の影響だと思います。生まれながらにして与えられた使命のようなものでもありますが、一方では誰に指図されるでもなく僕自身が選んだ道なので、「なるべくしてなった」というよりは「なりたくてなった」と思うようにしています。印鑑職人としての僕の目標は、「世の中に名前を残すこと」です。でも、自分の名前を残したいと思っているわけではありません。出来るだけ多くの方の名前を世の中残したいと思っています。
職人を目指すにあたりはじめにしたこと
職人になりたいと思ったからといって、そう簡単には職人になることはできませんでした。師匠に弟子入りする段階でなかなか受け入れてもらえなかったからです。それでも何度も金沢の師匠のもとを訪問して、印鑑職人になりたいという想いをぶつけたところ、何度目かの訪問のときにようやく受け入れてもらうことができ、無事に師匠のもとで弟子入りさせてもらうことになりました。
真冬の印鑑修行
僕が印鑑修行をはじめたのは確か1月の半ば頃だったと思います。1月の北陸といえば大量の雪が積もりに積もる、一年を通しても非常に厳しい季節なんです。それだけに温かい部屋で印鑑修行を終え、昼ご飯を食べる時間が些細な幸せに感じました笑。
職人でありたいと思う今日この頃
それからは福井県と石川県を行ったり来たりの日々を繰り返し、印鑑職人になるための修行を着々とこなしていきました。そして今年のはじめには当初の目標であった印鑑技能士の国家資格を取得しました。たまに「その修行いつまで続くの?」と聞かれることがありますが、師匠からは「10年は続くわい!」と言われています笑。たぶん修行の日々に終りはないってことでしょう。終りがあるとしたら、それは印鑑職人をやめるときなんだと思います。これからの長い道のりで何度壁にぶつかることでしょう笑。でも、そんなときも「職人になりたい」と思ったときの初心を思いだし、世の中に出来るだけ多くの名前を残せるように頑張ります。こんな僕ではありますが、これからも応援よろしくお願いします!